NY通信Vol.176:二年生の発表会!

ニューヨークの演劇学校で行われた二年生ミュージカル発表会の舞台。

7時30分起床。

1コマ目はアクティング。

最初はジョン(悲)とカミル(悲)。

ジョンのアクティビティは、「昨日亡くなった母が好きだった詩をノートへ書き写す」というものだった。

涙に飲み込まれ、手が止まるジョン。

するとジミーが静かに声をかける。

「君はまだアクティビティをしていない。やりなさい。」

そして続けた。

「感情に飲み込まれて I didn’t ではだめだ。I couldn’t ならいい。」

印象に残る言葉だった。

一方、カミルはまだ長いトンネルの中にいる。

見ていて胸が痛くなる場面もあった。

僕自身も同じような時期を経験しているので、その苦しさはよく分かる。

こういう時は、少し距離を置いて気持ちを整理する時間も必要なのかもしれない。

レッスン中は難しくても、週末などを使って自分自身を整えることはできる。

そして何より必要なのは、

「素直になること。」

「言い訳をしないこと。」

簡単ではない。

だからこそ、大切なのだと思う。

続いて僕とダン。

僕の想像上の環境は、

「がんで一年間入院していた母が奇跡的に退院する日。大好物の手打ちうどんを作って快気祝いを開く。」

という設定。

前日から二時間かけて準備した飾り付けとうどんが、ようやく出番を迎えた。

粉を二重に包んだ袋を足で踏みながら、生地も同時にこねる。

自分の中では、その行動すべてに意味があった。

そこへ現れたのは――

バスタオル一枚を巻いただけのダン。

しかも深刻な表情で、

「電話を貸してほしい。」

と言う。

どう見ても異様な光景である。

思わず、

「What…? It’s strange…」

と言うと、

「It’s not strange!」

と真顔で返される。

少し間が空き、やっぱり我慢できずに、

「……いや、やっぱり変だよ!」

するとダンも吹き出した。

「Yes… it’s strange!」

そこから10分ほど、クラス中が笑い続けるやり取りになった。

終わるとジミーがコメントする。

「これはシットコム(テレビコメディ)のレベルだ。」

「ダン、君は自分の想像上の環境へ十分コミットできていない。その状況なら笑えないはずだ。」

確かに、その通りだった。

帰り道もダンはずっと反省していた。

2コマ目はスピーチ。

3コマ目はダンス。

どちらも全力で取り組む。

一度帰宅し、二時間ほど休憩。

その後ダンの家へ向かい、一緒に学校へ戻る。

夜は二年生によるミュージカル発表会だった。

演目は『シティ・オブ・エンジェルズ』と『オズの魔法使い』。

Yさんも誘って三人で観劇した。

『オズの魔法使い』は以前ブロードウェイでも観ている。

もちろん、歌やダンスの完成度は本場のプロが上だ。

それでも、この日の舞台には別の魅力があった。

限られた環境の中で、一生懸命稽古を重ね、自分たちの力をすべて出し切ろうとする姿。

その情熱がまっすぐ伝わってきた。

劇団の研究所時代の発表会を思い出し、どこか懐かしい気持ちにもなった。

今週も全力で走り切った。

週末はしっかり休もう。

それでは、おやすみなさい。

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