7時30分起床。
今日はいよいよ前期最終日。
1コマ目はアクティングだった。
ジミーがみんなへ質問する。
「もし100万ドルあって、何をしてもいいと言われたら、何をする?」
これはマイズナーの本にも出てくる問いだ。
「イマジナリー・サーカムスタンス(想像上の状況)の中では、何だって自由に想像していい。」
そのことを体感させるための質問だった。
一人ずつ答えていく。
ここで面白いことに気づいた。
アメリカのクラスメイトは、家族の話になると男女問わず、本当にすぐ涙を流す。
20代前半の若者たちだ。
家族への愛情の深さを感じる。
そういえば僕も昔、会社員時代の新入社員挨拶で母親の話をした瞬間、涙が止まらなくなったことがあった。
話を戻そう。
もう一つ気づいたことがある。
何を話そうか迷って言葉に詰まると、特に女子はそのまま泣き出すことがある。
負けず嫌いな一面なのかもしれない。
みんなの答えも個性的だった。
ダンは、
「ポルシェを買って、最高の女性を助手席に乗せて走る。」
マックスは、
「高級ホテルを貸し切って、一晩中クレイジーなパーティーを開く。」
レビーは、
「全財産を使って最高のドレスを作る。」
そして僕は、
「世界中すべての国を訪れ、それぞれの国で100人ずつ友達をつくる。」
ジミーは答えている途中も、
「それから?」
「もっと具体的に。」
と次々質問を投げかける。
想像をどんどん広げていく。
面白いレッスンだった。
シーン・スタディは、マックスとダーニャだけ。
出来はあまりよくない。
終わったあと、ダーニャがぽつりと言う。
「このまま冬休みに入るなんて嫌。」
この3か月で、みんな本当に素直になった。
感じたことを、そのまま言葉にする。
僕自身も、以前よりそうなってきた気がする。
……これはアメリカナイズというより、演技を学んだからなのかもしれない。
今日の授業はここまで。
このあと1・2年生全員で、グループ・シアターの歴史を描いたドキュメンタリーを観る。
その後は学校でささやかなパーティー。
受付のローズおばあちゃんともハグ。
相変わらず「オ~スイートアリゲータ~」と僕をたくさん褒めてくれる。
ありがとう。
夜はイーストビレッジへ。
1859年創業という、とても古いアイリッシュバーに入った。
床にはおがくず。
昔ながらの雰囲気が残る、素敵なお店だった。
ほろ酔い気分で帰る途中、
やっぱりラーメンが食べたくなってしまう。
「Mちゃんこ亭」で一杯。
今度は家でも作ってみよう。
こうして前期が終わった。
自分で言うのもなんだけど、
本当によく頑張ったと思う。
留学は税金で行かせて頂いている。
この3か月は胸を張って報告できる。
……もちろん、本当に大切なのは結果だけれど。
夜、テレビではクリント・イーストウッドが出演していた。
映画『硫黄島からの手紙』について語っている。
司会者が、
「『ダーティハリー』の続編は作らないのですか?」
と聞くと、
「その質問にはもう飽きたよ。引退してフライフィッシングを楽しむハリーでも撮ればいいのかな。」
アメリカらしいジョークで笑わせていた。
さて、明日は久しぶりに朝寝坊。
……とはいえ、友人が遊びに来るので、料理でもてなす予定だ。
前期おつかれさま。それでは、おやすみなさい。


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