7時起床。
朝早く学校へ行き、レビーと自主練。
1コマ目は、週に一度のピケのクラス。
まずはクリスとヘス。
クリスはこれまで、ライターをかっこよく着火するアクティビティを続けていた。
ところが今回は、
「もう上手になりすぎた。」
という理由で却下。彼、一所懸命練習してたのに・・
代わりに与えられた課題は、
バレエのピルエットを5回転。
……それは難しい。
シーン自体は、今日は今ひとつだった。
続いてベスとマット。
二人とも、
「相手に届いていない。」
という状態。
このシーンは、恋人同士の激しい口論だ。
そこでピケが、アインシュタインの言葉を引用した。
「無限なものは二つある。宇宙と人間の愚かさ。もっとも、宇宙については断言できないが。」
教室が少し笑う。
そして、ピケは続けた。
“Acting is a stupid thing.”
もちろん演技を馬鹿にしているわけではない。
理屈や常識を超え、自分をさらけ出すこと。
演技とは、そういう”愚かさ”を引き受ける営みなのだ。
そんなニュアンスだった。
さらにもう一つ。
アインシュタインの有名な言葉。
「想像力は知識よりも重要だ。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む。」
本当に、その通りだと思う。
ほかにアリスとハロルドもシーンを披露。
こちらはまずまずだった。
2コマ目はバレエ。
明日はダンスの授業がないので、今学期最後のバレエ。
もちろん最前列で踊った。
3コマ目はミュージック。
いつものボーカルウォームアップのあと、みんなでクリスマスソングを歌う。
僕だけ、日本語で歌った。
♪ 真っ赤なお鼻の~
4コマ目は、週に一度のクイントンのクラス。
キンバリとマコーレ。
二人のシーンは、
若い妻が医師との浮気を終えて帰宅するところから始まる。
かつて海軍士官として輝いていた夫は、今ではバス運転手。
保守的で退屈な男になってしまった。
当然、大げんかになる。
一回目。
とても良かった。
教室全体が、
「ここでクイントンは何を言うんだろう。」
と息をのむ。
その空気が好きだ。
クイントンはキンバリへ言った。
「そもそも、この状況で君はそんな反応をする女性には見えない。」
深い。
完成度は高い。
でも、それはまだキンバリ自身ではなかった。
さらに数点アドバイスを受けて、もう一度。
……すごかった。
マコーレの悔しさ。
キンバリの行き場のない苦しさ。
切なくて、僕は泣いてしまった。
クイントンも泣いていた。
続いてベスとマット。
この日二度目の挑戦だ。
クイントンはマットへ、
「君は父親みたいだ。」
と言う。
そして二人へ、こんな背景を与えた。
マットには、
「アメリカ南部に残る古い男尊女卑の価値観を持つ男。」
ベスには、
「コーラを2缶飲み、ピザを食べ、そのあとセックスをするだけの毎日。母親のように彼の世話ばかりしてきた。でも、もうそんな人生にはうんざりだ。自立した大人の女性になれ。」
もう一度シーンをやる。
ベスは本当にすごい。
“びっくりボール”のように、指摘を受けた瞬間、反応する。
少女だった彼女が、一瞬で一人の女性になった。
身長150センチほどのベスが、2メートルを超えるマットを子どものように扱う。
立場が完全に逆転した。
見事だった。
放課後はすぐ帰宅。
ビールを飲みながら歌と発音の練習。
もう気分は、ほとんど冬休みだ。
夕食後は映画**『ライフ・イズ・ビューティフル』**を観た。
後半は、何度観ても涙が止まらない。
父親が撃たれる場面は、本当に胸が苦しくなる。
さて、前半最後の一日。
思い切り楽しもう。
それでは、おやすみなさい。
追伸
ニューヨークの日本人向けフリーペーパー**『ジャピオン』**の新年巻頭特集で取材を受けることになった。
どんな記事になるのか、今から楽しみだ。


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