NY通信Vol.158:前期成績発表!

ニューヨークの演劇学校で成績表を手に笑顔を見せる学生。

8時起床。

朝は先輩とお茶を飲みながら、しばらくゆっくり話をする。

1コマ目はアクティング。

今日からシーンスタディⅡが始まった。

シーンスタディとは、戯曲の一場面を抜き出して稽古する授業である。

先週末、課題として次のようなことを考えてくるよう指示されていた。

  • 自分の役は何者なのか。
  • 相手とはどんな関係なのか。
  • いつ、どこで、何が起きているのか。
  • この場面の前には何があったのか。
  • アクティビティは何か。
  • このシーンで最も重要なことは何か。
  • 感情準備はどうするのか。

ほかにも細かな項目はあるが、役者なら当然行う準備だ。

これらを具体的に積み重ねるほど、役もシーンも立体的になっていく。

初日のテーマは、

「台詞を会話として交わすこと」。

向かい合って座り、自然に話す。

それだけだった。

マックスとダン。

「まだ暗記してこなくていい。」

そう言われていたにもかかわらず、二人ともほとんど台詞を覚えてきていた。

焦る。

先週落ち込んでいたダンも、しっかり前へ進んでいた。

いいじゃないか。

ジェイドとハロルド。

ジェイドの素直さが印象に残る。

マットとキャシー。

マットの感情準備がとても良かった。

そして僕とダーニャ。

僕は、自分の役を「アシスタントプロデューサー」のような人物だと思い込んでいた。

ところがジミーが一言。

「君は役者だよ。」

……えっ?

完全な勘違いだった。

英語は本当に難しい。

しかも僕は設定を膨らませ過ぎていたらしい。

ジミーは笑いながら言う。

「もっとシンプルに。」

そうなんだ。

つい、あれもこれも考えたくなってしまう。

でも、余計なものを削ることも演技なのだ。

カミルとマックス。

カミルは台詞を覚えてきたことを周囲に見せたがっているように見えた。

そんなことより、もっと肩の力を抜けばいいのに。

「Take it easy.」

心の中でそうつぶやいた。

昼休みはジムへ。

そこで見かけたのは、葉巻をくわえたまま裸で体を拭いている恰幅のいい男性。

パンツより先に葉巻。

なんとも絵になる。

午後はスピーチ。

続いてミュージック。

今度の水曜日は、いよいよ僕が歌う番だ。

放課後。

突然、前期の成績表が配られた。

そんなシステムがあることすら今日まで知らなかった。

少し緊張しながら、ミセス・シュガーマンのところへ受け取りに行く。

結果は――

  • アクティング(ジミー):B
  • アクティング(ピケ):B+
  • アクティング(クイントン):A
  • スピーチ:B
  • ボイス:A
  • バレエ:A
  • ダンス:A
  • ミュージック:A-

A・A-が5科目。

B+・Bが3科目。

C以下はゼロ。

何人かのクラスメイトとも見せ合ったが、自分なりによく頑張れたと思う。

特にダンス、バレエ、ミュージックでほぼA評価だったのは、自分でも驚いた。

素直にうれしい。

……大学時代の成績より、ずっといい。

それだけは少し複雑だった(笑)。

後期も全力で頑張ろう。

帰宅して日課を半分終える。

フリオへ電話をすると、

「I got a job!」

とうれしそうな声が返ってきた。

しばらくアルバイトが見つからず落ち込んでいたから、本当に良かった。

夜12時過ぎ。

A先輩が帰宅。

ミュージカル『RENT』を観てきたそうで、

「すごく良かった!」

と興奮しながら話してくれた。

そのあと先輩に付き合ってもらい、シーンの台詞もほぼ暗記完了。

明日の朝はダーニャと朝練だ。

よし、また頑張ろう。

それでは、おやすみなさい。

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