NY演劇留学記89|システマチックな演技レッスン

シーン・スタディが次の段階へ。「セリフではなく相手から刺激を受ける」

6時30分起床。

早起きしてセリフを覚える。

朝8時30分、レビーと待ち合わせ。レッスン前にも二人でセリフを合わせた。

1コマ目、アクティング。

今日もシーン・スタディだ。

授業の最初に、ジミーが改めてセリフ暗記の大切さを話した。

「ドラマの現場では、前の晩にセリフを渡されて翌朝9時から撮影、なんてことは珍しくない。覚えていなければ、その場で終わりだ。」

まずはマックスとダーニャ。

二人とも完璧に暗記をクリアし、次の段階へ進んだ。

第二段階は、枕投げをしながらセリフを言い合うというエクササイズ。

芝居をやっている人なら似た稽古をしたことがあるかもしれない。

「会話はキャッチボール」を、そのまま体で体験するような稽古だ。

しかも、できるだけ離れて、できるだけ速く投げ合う。

セリフに合わせて投げるのではない。

相手とのやり取りを途切れさせないことが目的だ。

かなり効果的なエクササイズだと思った。

続く組も次々と第二段階へ進む。

一方で、進めなかった組も二組あった。

そして、いよいよ僕たちの番。

途中一か所だけ危ないところはあったが、第一段階の暗記をクリア。

続く第二段階も無事クリアした。

「(心の声)いやぁ、かっちゃん、やるやんか。」

思わず自分で自分を褒めた。

全組終了後、いよいよ第三段階。

今度は普通に会話するようにセリフを言い合う。

ただし、絶対に演じてはいけない。

役を作ってもいけない。

セリフの意味から話してもいけない。

あくまでも相手とつながり、その瞬間に生まれた反応でセリフを言う。

演技が入った瞬間、ジミーは止める。

繰り返し(リピティション)をやらせる。

またセリフ。

また止める。

また繰り返し。

マックスも途中で何が何だかわからなくなっていた。

でも、不思議なくらい少しずつ良くなっていく。

「いやぁ、本当にシステマチックやなぁ。」

改めて感心した。

今日一番印象に残った言葉はこれだ。

「セリフから刺激を受けるな。相手から受けろ。」

なるほど。

確かに、その方が生きた会話になる。

ちなみに今日、第一段階や第二段階をクリアできなかった組は、次回もそこからやり直しになる。

つまり、組ごとに進み具合が違ってくる。

この積み重ね方も実にシステマチックだ。

午後はバレエ、スピーチ、そして久しぶりのライブラリー。

一か月ぶりくらいだろうか。

デイルのおしゃべりは相変わらず止まらない。

でも、まだほとんど聞き取れない。

悔しい。

放課後は帰宅して少し仮眠。

その後、日課を済ませてテレビで映画を観た。

ピアース・ブロスナンがダメ父ちゃんを演じる作品。

奥さんに去られ、子どもとも離ればなれになるが、最後は家族を取り戻そうと奮闘する物語だった。

タイトルはわからなかったけれど、3割くらいしか聞き取れなくても十分楽しめた。

今日は早めに寝よう。

……と思ったけれど、M先輩がオペラから帰ってきたら、きっと感想を聞くだろう。

結局12時くらいかな。

それでは、おやすみなさい。

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