NY通信Vol.151:音痴克服!

演劇学校の音楽レッスンで楽しそうに歌う学生たちの様子。

7時15分起床。

朝はスピーチの宿題を暗記するところから始まった。

八割ほど覚えられた。

残りは昼休みに仕上げれば大丈夫そうだ。

授業前、ブリアナが笑顔で声をかけてくる。

「明日は誰かさんの誕生日だね。」

覚えていてくれたことが、とてもうれしかった。

本当に優しい子だ。

するとマコーレが聞いてくる。

「カツ、何歳になるの?」

「35歳……になるよ。でも中身はジェイドと同じ19歳だけどね。」

するとマコーレが真顔で言う。

「僕は14歳かな。」

実年齢は25歳なのに。

「じゃあ5歳しか違わないね。」

「本当だ。」

二人顔を見合わせて笑う。

なんともない会話だけれどいい。

1コマ目はアクティング。

ブリアナとマットのシーン。

ここへ来て、ブリアナが本当に良くなってきた。

デイルが学校を辞めたことで、ブリアナはマットとクリス、二人のパートナーを担当することになった。

自然と舞台に立つ回数も増える。

入学当初の彼女は、緊張や自意識を大きな笑いで隠していた。

そういう人は意外と多い。

今も少しその癖は残っている。

でも今は違う。

相手を心から受け止める。

相手を生かそうとする。

それが自然にできるようになった。

彼女は根っから優しい。

少し寂しがり屋でもある。

だからこそ、相手の痛みに寄り添えるのだろう。

芝居には、その人自身が出る。

改めてそう感じた。

シーンが終わったあと、マットが涙を流しながら言った。

「12歳の頃の自分に戻った気がする。」

ブリアナには、人を引き上げる才能がある。

そう思った。

マックスとダーニャ。

ダンとキャシー。

こちらも行われたが、即興としてはもう一歩だった。

昼休みは隣のジムへ。

ランニングマシンで走りながら、スピーチの暗唱。

無事に全部覚えられた。

午後はスピーチ。

今日は「S」の発音。

これが思った以上に難しい。

何度も直される。

僕に時間をかけすぎてしまい、ほかの生徒が発表できなくなってしまった。

申し訳ない。

続いてミュージック。

今日は、クラスで「音痴コンビ」と言われているダンとハロルドが歌う日だった。

歌う前に、僕はダンへ耳打ちする。

「ここはカナダの国立劇場だ。今日は君のソロコンサート。みんな君を待ってる。」

ちょっとした想像上の環境をプレゼントした。

するとダンは、とても気持ちよさそうに歌い始めた。

しかも、ほとんど音程が外れない。

九割以上きちんと取れている。

驚いた。

ハロルドも負けずに頑張る。

二人とも、本当に成長した。

努力はちゃんと実を結ぶ。

そんな瞬間を見ることができた。

帰宅後は、歌、発音、文法の勉強。

最後はダンスの宿題。

キャラクターを探す課題なのだが、どうにも納得できる題材が見つからない。

先生には、

「副詞で人物像が表現されている部分を探せばいい。」

と言われたものの、なかなか見つからない。

こういう時は、本当に悔しい。

結局、『ゴドーを待ちながら』のエストラゴンの一節を仮に選んだ。

でも、まだ納得はしていない。

続きは明日の朝。

今日も最後まで全力だった。

それでは、おやすみなさい。

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