NY通信Vol.134:明日、カーネギーホールの舞台に立ちます!

カーネギーホール本番前日の舞台をイメージした風景。

7時30分起床。

1コマ目はアクティング。

最初はジョンとダーニャ。

二人とも悲しみの感情でシーンに入る。

途中、ダーニャは思うようにコミュニケーションが取れず、何度も

「ジョン!」

と呼びかける。

そのたびにジョンは、

What!?

と、少し相手をすかすような返事をする。

するとジミーが止めた。

「ジョン。君は自分が居心地の悪い状況になると、相手を軽くいなしてしまう癖がある。それはやめよう。」

確かに最近のジョンには、この反応がよく見られる。

本人もきっと気付いていないクセなのだろう。

続いてダンとアリス。

最初の設定では、ダンは知人の家へ盗みに入る人物。

アリスは中絶手術を終えて帰宅する女性。

ダンは黒づくめの服に顔まで黒く塗って登場したが、シーンはいまひとつだった。

そこでジミーが二人の設定を大胆に変更する。

ダンには、

「演出家から『役者として才能がない。諦めなさい』と言われ、そのことを両親へ手紙で伝えなければならない。」

アリスには、

「中絶したことを恋人へ伝えようとしたが、彼は電話番号まで変えて姿を消していた。誰にも頼れず、一人で病院へ行き、手術を終えて帰ってきた。」

という新しい状況を与えた。

これが見違えるほど良かった。

アリスは涙でマスカラが崩れ、顔中真っ黒になりながら泣き崩れる。

一方のダンも前の黒いメイクのまま。

結果として、二人とも真っ黒な顔で号泣するという、不思議な光景になってしまった。

真剣なシーンなのに、少し笑ってしまう。

続いてブリアナとクリス。

最初は二人とも「喜び」の設定だったが、ジミーはクリスだけを「怒り」に変更。

それだけでシーンがぐっと面白くなった。

改めて、感情の組み合わせ一つでドラマは大きく変わるのだと実感する。

昼休みはジムへ。

体を鍛えていると、ダンやBクラスのセバスチャンもトレーニングしていた。

午後はスピーチ、そしてダンス。

どちらも集中して取り組む。

放課後にはうれしい出来事があった。

学校の仲間たちが、

「カーネギーホールを観に行きたい!」

と言って、チケットを買ってくれたのだ。

ハロルド、ジェイド、マコーレ、ブリアナ、ピート、二年生の男子、図書室のデイル、そしてフリオ。

さらにクリスとキャシーも来てくれるかもしれない。

気がつけば、チケットは8枚も売れていた。

本当にうれしい。

帰宅後は、明日の本番に備えて日課はお休み。

景気づけにサーロインステーキとナンを食べ、少し仮眠を取る。

夜はテルの家で最後のリハーサル。

11時過ぎまで稽古を重ねた。

終わる頃には、まるで温泉に入った後のような心地よさだった。

準備は万端。

帰り際、テルと固く握手を交わす。

いよいよ明日は本番。

謙虚に、誠実に、そして全力で舞台に立とう。

それでは、おやすみなさい。

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