NY演劇留学記102|「カツクルーニー」と呼ばれるようになった日

7時30分起床。

週末、クラスメイトの何人かが再びアクターズ・スタジオへ行ったらしい。

今回のゲストは、なんとマット・デイモン

俳優としての考え方や、ロバート・デ・ニーロとの仕事について語ったそうで、かなり刺激的な内容だったという。

ハロルドが、興奮冷めやらぬ様子で話してくれた。

どうやら先週、クラスで参加希望者を募っていたらしい。

……また聞き逃した。

オーノー。

1コマ目はアクティング。

まずはメリルとレビー。

メリルの様子が少しおかしい。

どこか元気がなく、演技を楽しめていないように見える。

レビーがぽつりと教えてくれた。

「メリル、女優になることの大変さに気づいたみたい。少し諦めかけているのかもしれない。」

でも、まだ3か月だ。

俳優の道が簡単じゃないことは誰だって知る。

人間の一番深い部分に毎日向き合う仕事なのだから。

ちなみにマイズナーは、

「俳優になるには20年かかる。」

と言っている。

……ということは、僕はまだ半分も来ていない。

あと9年か。

次はベスとマット。

ベスは本当に反応が早い。

まるで昔駄菓子屋にあった「びっくりボール」。

触れた瞬間に跳ね返るような感受性がある。

一方、マットは壁にぶつかっていた。

頭が良すぎるのだ。

誰とでも上手に付き合えてしまう。

でも芝居では、それを手放さなければならない瞬間がある。

ジミーから何度も言われる。

「You’re too casual.(自然すぎる。もっと踏み込め)」

何度もやり直し。

続いてハロルドとアリス。

ハロルドは朝から絶好調だった。

理由はもちろん、マット・デイモンの話を聞いたばかりだから。

休憩時間に聞いてみた。

「今日は何かいいことあった?」

すると、

「今、自分のシーンの準備がすごく楽しいんだ。」

と笑う。

彼らのシーンは、新婚夫婦の夕食。

最初は幸せいっぱい。

でも、些細なことから大げんかになる。

そのために、完璧なディナーセットまで持ってきていた。

本気だ。

その熱意が、そのまま芝居にも出ていた。

クリスとヘスのシーンは、今日は少し物足りなかった。

昼休みはジムで筋トレ。

午後はスピーチ。

暗記の発表は危なかったけれど、なんとかクリア。

続くミュージックでは、水曜日の歌の発表に向けて練習。

今回の課題曲は本当に難しい。

放課後はまっすぐ帰宅。

歌の練習。

発音の練習。

いつもの日課を終える。

夕食は4号室のTさんが、昨夜のパーティーの料理を分けてくれた。

フィリピン料理らしい。

カレー風味の海鮮ビーフンのような一皿。

たっぷりいただいた。

今日は少し早めに寝よう。

明日も朝練がある。

そうそう。

今日でニューヨーク生活100日目。

あと250日しかない。

時間が過ぎるのは、本当に早い。

そして最近、クラスメイトから新しいニックネームが付いた。

マコーレは僕を

「カツクルーニー」

ダンは

「ムッシュ・ナックル」

と呼ぶ。

……悪くない。

それでは、おやすみなさい。

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