NY通信Vol.161:イタリア料理で満腹どす!

ニューヨークのイタリア料理店で笑顔で食事を囲む仲間たち。

7時30分起床。

朝早く学校へ行き、ダーニャと自主練をする。

1コマ目は、週に一度のピケのアクティング。

教室へ入るなり、ピケが笑いながら言った。

「今日のレッスンは退屈になるなあ。」

シーンスタディはあまり好きじゃない、と半分本気で言う彼らしい冗談だ。

教室中から返ってきたのは、

「No!!」

という笑い混じりの声。

信頼関係があるからこそのやり取りだった。

そして続ける。

「台詞を忘れても、エネルギーは失うな。」

「失敗? Come on!どんどん失敗しろ!」

失敗を恐れず挑戦しろという、その姿勢が実に彼らしい。

レッスンの途中では、自分の教え子が出演した『眠れる森の美女』の話になった。

ニューヨーク公演では、客席の子どもたちも芝居に参加する演出だったという。

王子が眠る姫を見つけて叫ぶ。

「姫を起こすにはどうしたらいい?」

すると客席の子どもが大声で、

「F*** her!」

教室中、大爆笑。

眠っているはずのお姫様役も肩を震わせて笑いをこらえていたそうだ。

結局その後、王子は台詞を

「キスをしよう!」

へ変更したらしい。

ニューヨークらしいエピソード。

シーン稽古はまだ試運転という印象で、大きな進展はなかった。

午後はバレエ。

続いてミュージック。

この日は月に一度の講義で、テーマは「シンコペーション」。

音楽理論もしっかり学ぶ。

最後は、週に一度のクイントンのアクティング。

最初はジョンとレビー。

クラスで認められている実力者同士。

クイントンは二人の力をうまく引き出しながら、時には遊ぶように演出していく。

見ていて本当に面白い。

続いてジェイドとハロルド。

一回目は今ひとつ。

しかし二回目。

ハロルドの怒りが一気に解放された。

ジェイドの素直さと優しさも自然にあふれ出す。

教室の空気が変わった。

クイントンが涙を流す。

マコーレも涙ぐむ。

ブリアナをダーニャがそっと慰める。

マットは食い入るように見つめている。

もちろん、僕も涙が止まらなかった。

最後はアリスとベス。

クイントンはアリスにこう伝えた。

「君は台詞を話しながら、相手の反応を気にし過ぎている。」

「大事なのは、君自身の中で何が起きるかだ。」

相手には反応しなければならない。

でも、自分の感情を出し切った上での反応でなければ意味がない。

出し惜しみは禁物。

その言葉が強く胸に残った。

放課後はダンと一緒に帰宅。

日課を半分終えたあと、先輩の帰国前夜ということでイタリア料理店へ向かう。

お店は『地球の歩き方』で紹介されていた「マンジャ・エ・ベヴィ」。

店名の意味は、

「食べて、飲んで」。

フリオも合流。

シーフードたっぷりのリングイネ、

スペシャルトマトソースのペンネ、

薪窯焼きのマルゲリータ、

子牛とマッシュルームの白ワイン煮込み、

赤ワイン、

ピーチシャーベット、

そしてコーヒー。

どれもおいしかった。

先輩と二人で、

「¡Muy bueno!(めっちゃうまい!)」

を連発しながら、夢中で食べる。

フリオも大満足だった。

食後、先輩はブロードウェイへ。

僕とフリオは帰宅。

部屋では、フリオが自分で選曲したお気に入りのCDを聴かせてくれた。

やっぱり彼はロマンチストだ。

しばらくして先輩も帰宅。

気がつけば、先輩とフリオが二人で歌を歌っている。

短い滞在ですっかり仲良くなったようだ。

それが何よりうれしかった。

今日は本当によく食べた。

そして、よく笑った。

今週も残り一日。

最後まで全力で走り抜けよう。

それでは、おやすみなさい。

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