7時15分起床。
朝はスピーチの宿題を暗記するところから始まった。
八割ほど覚えられた。
残りは昼休みに仕上げれば大丈夫そうだ。
授業前、ブリアナが笑顔で声をかけてくる。
「明日は誰かさんの誕生日だね。」
覚えていてくれたことが、とてもうれしかった。
本当に優しい子だ。
するとマコーレが聞いてくる。
「カツ、何歳になるの?」
「35歳……になるよ。でも中身はジェイドと同じ19歳だけどね。」
するとマコーレが真顔で言う。
「僕は14歳かな。」
実年齢は25歳なのに。
「じゃあ5歳しか違わないね。」
「本当だ。」
二人顔を見合わせて笑う。
なんともない会話だけれどいい。
1コマ目はアクティング。
ブリアナとマットのシーン。
ここへ来て、ブリアナが本当に良くなってきた。
デイルが学校を辞めたことで、ブリアナはマットとクリス、二人のパートナーを担当することになった。
自然と舞台に立つ回数も増える。
入学当初の彼女は、緊張や自意識を大きな笑いで隠していた。
そういう人は意外と多い。
今も少しその癖は残っている。
でも今は違う。
相手を心から受け止める。
相手を生かそうとする。
それが自然にできるようになった。
彼女は根っから優しい。
少し寂しがり屋でもある。
だからこそ、相手の痛みに寄り添えるのだろう。
芝居には、その人自身が出る。
改めてそう感じた。
シーンが終わったあと、マットが涙を流しながら言った。
「12歳の頃の自分に戻った気がする。」
ブリアナには、人を引き上げる才能がある。
そう思った。
マックスとダーニャ。
ダンとキャシー。
こちらも行われたが、即興としてはもう一歩だった。
昼休みは隣のジムへ。
ランニングマシンで走りながら、スピーチの暗唱。
無事に全部覚えられた。
午後はスピーチ。
今日は「S」の発音。
これが思った以上に難しい。
何度も直される。
僕に時間をかけすぎてしまい、ほかの生徒が発表できなくなってしまった。
申し訳ない。
続いてミュージック。
今日は、クラスで「音痴コンビ」と言われているダンとハロルドが歌う日だった。
歌う前に、僕はダンへ耳打ちする。
「ここはカナダの国立劇場だ。今日は君のソロコンサート。みんな君を待ってる。」
ちょっとした想像上の環境をプレゼントした。
するとダンは、とても気持ちよさそうに歌い始めた。
しかも、ほとんど音程が外れない。
九割以上きちんと取れている。
驚いた。
ハロルドも負けずに頑張る。
二人とも、本当に成長した。
努力はちゃんと実を結ぶ。
そんな瞬間を見ることができた。
帰宅後は、歌、発音、文法の勉強。
最後はダンスの宿題。
キャラクターを探す課題なのだが、どうにも納得できる題材が見つからない。
先生には、
「副詞で人物像が表現されている部分を探せばいい。」
と言われたものの、なかなか見つからない。
こういう時は、本当に悔しい。
結局、『ゴドーを待ちながら』のエストラゴンの一節を仮に選んだ。
でも、まだ納得はしていない。
続きは明日の朝。
今日も最後まで全力だった。
それでは、おやすみなさい。


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