NY通信Vol.138:シクラメンの贈り物

仲間から贈られたシクラメンの鉢植えとメッセージカード。

7時30分起床。

1コマ目はアクティング。

レッスン前、自然とカーネギーホールの話題になった。

ブリアナが僕たちの舞台について熱心に褒めてくれる。

「あれ、本当に素晴らしかった!」

そう言ってもらえるだけで十分うれしい。

連休明けということで、この日は全員が2分間ずつ「繰り返し」を行うウォーミングアップから始まった。

ここまで学んできて、教室にはっきりとした違いが見え始めている。

その瞬間に自分を思い切って投げ出せる人。

まだ自意識に縛られてしまう人。

その差が少しずつ表れてきた。

最初はマットとカミル。

カミルはまだ自意識の網に絡め取られている。

でも、自分がそうなっていることをちゃんと認められるようになってきた。

あと一歩。

そこを越えれば大きく変わる気がする。

マットも最近は感情を素直に出せるようになり、涙を見せる場面が増えてきた。

続いてキャシーとレビー。

キャシーも時折、自意識の殻を破る瞬間がある。

そしてレビー。

最近はまるで大きな海のような包容力まで感じさせる演技になってきた。

ただ一つだけ。

「少ししゃべりすぎる時がある。」

そんな指摘も受けていた。

確かに、その通りだと思う。

次はデイルとハロルド。

デイルは三脚にカメラを立て、おもむろにハンバーガーの早食いを始めた。

設定は、

「会社をクビになり、お金が必要なので大食い大会に挑戦する。」

というもの。

ところがジミーはすぐに止める。

デイルはまだ、自意識という厚い壁に包まれている。

だから時々、本質からずれた方向へ進んでしまう。

本人もかなり落ち込んでいた。

でも、そういう時期は誰にでもある。

今はきっと教室に来ることすら苦しいだろう。

それでも続けるしかない。

心の中で思う。

「頑張らないで、頑張れ。」

一方のハロルドは、相変わらず素直だった。

昼休み。

キンバリーとベスが僕のところへやって来た。

「カツ、カーネギーホールおめでとう!」

そう言って手渡してくれたのは、シクラメンの鉢植え。

そこにはカードも添えられていた。

“We are proud of you.”

「私たちはあなたを誇りに思っています。」

胸が熱くなった。

思いがけない贈り物だった。

午後はバレエ、スピーチ。

そして最後は久しぶりのライブラリークラス。

担当のデイルは、相変わらず演劇の話になると止まらない。

知識も情熱も本当にすごい。

でも話があちこちへ飛ぶので、英語がまだ十分ではない僕には、ついていくのがなかなか大変だ。

ふと思った。

彼は講義をするより、演劇好きが集まるカフェで雑談している方が、もっと魅力が伝わる人なのかもしれない。

帰宅後は食事をして少し仮眠。

メールの返信を済ませ、劇団から依頼されていた研修レポートを書き上げた。

内容は、この日記からの抜粋が中心。

毎日日記を書いていて、本当に良かったと思う。

さらに次の課題曲も五曲まで絞り込んだ。

明日には決めて、新しい挑戦を始めよう。

今日も誠実に、全力を尽くした。

明日は、今日よりもう少し前へ。

それでは、おやすみなさい。

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