7時30分起床。
外は小雨。
実は僕、かなりの雨男である。
そして今日は、いよいよカーネギーホールの舞台に立つ日。
出演時間は幕間のわずか10分。
それでも、やるからには全力で挑み、思いきり楽しむ。
それが僕のスタイルだ。
景気づけに、昨夜に続いて朝もサーロインステーキを焼く。
朝なので塩、こしょう、しょうゆを少々。
ディジョンマスタードであっさり味に仕上げた。
ま、朝からお肉だけど・・。
9時30分、カーネギーホールへ。
楽屋に入ると、日本で舞台に立っていた頃と同じように、客席や舞台を歩き回り、空間の広さや響きを確かめる。
今回の作品は無言劇なので声を出す必要はないのだが、それでも舞台に立つ前のルーティンは変わらない。
テルと近くのスターバックスでカプチーノを買い、楽屋口で一息つく。
「俺たち、今めちゃくちゃ格好よくない?」
まるで中学生のようなことを口にすると、テルは笑いながらうなずいた。
歌や演奏チームのリハーサルの合間を縫って、僕たちも最終確認を行う。
テルは出演だけでなく、舞台監督や制作まで担当していて大忙し。
その横で僕は少し仮眠を取っていた。
……ごめん(笑)。
今回の作品のテーマは、
「人間が繰り返す愚かさと、それでも残る希望」。
人間になる前の生命が知恵を手に入れ、人間へと進化する。
しかし、その瞬間から虚栄心や嫉妬、終わりのない欲望という「重荷」を背負うことになる。
火を使い、狩りを覚え、武器を作り、家を建て、文明を築いていく。
そして、自然すら支配しようとする。
しかし最後には大きな災いに飲み込まれ、自分たちの小ささを知る。
老いた人間はようやく自然と共に生きることの大切さに気付き、知恵の実を返そうとするが、その直前に力尽きる。
すると、大いなる存在は静かに知恵の実と重荷を次の人間へ渡す。
また同じ歴史が始まる。
人類は、この営みを永遠に繰り返すのかもしれない。
そんな思いを込めた作品だった。
本番では持てる力をすべて出し切った。
客席の反応も悪くなかったと思う。
クラスメイトもたくさん観に来てくれて、
「本当に良かったよ!」
と声をかけてくれた。
もちろん、自分では客観的な評価はできない。
もし観てくださった方がいたら、ぜひ率直な感想を聞かせてほしい。
自己採点は80点。
特に「重荷」の扱い方や所作には、まだ掘り下げられる余地があると感じている。
もっと稽古を重ねれば、さらに深い作品になったはずだ。
舞台を終え、一度帰宅。
その後は打ち上げに参加し、夜9時頃に戻ってきた。
温かいお茶を飲みながらほっと一息つき、ジェイドに借りた映画『ショーシャンクの空に』を観る。
何度観ても心を動かされる名作だ。
今日という一日を、心から楽しんだ。
そして今、少し喉が痛い。
どうやら風邪のひき始めらしい。
明日はゆっくり休もう。
……あ、夕方にはフリオが遊びに来るんだった。
まあ、それまではのんびり過ごそう。
それでは、おやすみなさい。


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