9時起床。
朝の散歩がてら、ブロードウェイへラッシュチケットを買いに行く。
昼公演のミュージカルを一本確保。
まずは幸先のいいスタートだ。
一度帰宅して読書。
今日はオーガスト・ウィルソンの**『ピアノ・レッスン』**を読み終えた。
1930年代のアメリカ。
一台のピアノを売るか残すかを巡って対立する姉と弟。
その背景には、黒人たちの歴史や差別、そして過去の亡霊が重く横たわっている。
ピューリッツァー賞受賞作だけあって、扱っているテーマは深い。
この時代の黒人を描いた作品を読んでいると、いつも感じることがある。
登場人物たちは、物事をとてもストレートに考える。
もちろん、それが良い意味でも悪い意味でも。
長く抑圧され、理不尽な環境に置かれ続けると、人は本当に必要なものだけを求めるようになり、考え方もシンプルになっていくのだろうか。
そんなことを考えながら読んでいた。
これはあくまで僕の勝手な分析だけれど。
午後はミュージカル**『Grey Gardens』**へ。
『マンマ・ミーア!』『シカゴ』『ウェディング・シンガー』など華やかなタイトルが並ぶ中で、
**「Grey Gardens(灰色の庭)」**という地味なタイトルに妙に惹かれた。
「これは骨太な作品かもしれない。」
そんな期待を抱いて劇場へ入る。
ところが……
一幕は正直かなり苦戦した。
英語が十分に理解できないこともあったが、それを差し引いても自分には入り込めず、初めて観劇中に居眠りをしてしまった。
二幕は少し楽しめたものの、どこか消化不良。
せっかくブロードウェイまで来たのだから、このまま終わるのはもったいない。
夜公演を探してみる。
見つけたのは**『ウィキッド』**。
ラッシュチケットはロッタリー方式。
約400人の中から20人ほどが当選する狭き門だ。
前回は外れた。
そして今回――
当たった!
しかも一列目のほぼ中央。
110ドルの席を、25ドルで観られることになった。
最高だ。
『ウィキッド』は、『オズの魔法使い』の前日譚。
スター・ウォーズで言えば、エピソード1〜3のような位置づけの作品だ。
これはまさに王道ミュージカル。
歌もダンスも圧巻だった。
特にエルファバ役の歌唱力には鳥肌が立った。
今日改めて気づいたことがある。
今の僕がミュージカルに求めているものは、
やはり圧倒的な歌とダンスなのだ。
その意味では、『シカゴ』や『プロデューサーズ』のように、物語そのものがしっかりしていて、さらに音楽と踊りでも魅せる作品が特に好きなのかもしれない。
もちろん、この先もっと多くの作品を観れば、感じ方は変わるのだろう。
帰宅すると、二号室のYさん、Hさん、その看護師仲間のみなさんがパーティー中だった。
牡蠣フライとエビフライをごちそうになる。
観劇で満たされた一日の締めくくりに、思いがけないごちそうまでいただいてしまった。
今日はブロードウェイを二本ハシゴ。
頭の中は、まだ舞台の余韻でいっぱいだ。
それでは、おやすみなさい。


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