NY通信 Vol.190|よくない前のめり

体調を崩した一週間を乗り越え、この日から新しいシーン稽古が始まりました。

しかし、授業で最も印象に残ったのは演技そのものではなく、「焦ること」の怖さでした。

焦りは芝居を固くする

新しいシーンの初日は、まず台本を会話のように読むところから始まります。

いつものようにジミー先生が「やりたい人は?」と尋ねると、私は説明をきちんと理解してから手を挙げようと少し様子を見ることにしていました。

ところがパートナーのカミルが、

「カツ、行きましょう!」

と真っ先に手を挙げてしまいます。

最近の彼女は「結果を出さなければ」「負けたくない」という気持ちが強くなり過ぎていて、常に前のめり。

その焦りが周囲との距離感にも表れているように感じました。

もちろん努力することは大切です。

でも、余裕を失ったまま稽古を重ねても、芝居は良くならない。

そんなことを改めて考えさせられました。

休むことも稽古の一部

読み合わせは思った通り、まだぎこちないまま終了。

授業後、カミルは

「土日も稽古しましょう!」

と熱心に提案してくれました。

でも私は、

「土曜日は休もう。日曜日と月曜の朝にやろう。」

と伝えました。

焦って量をこなすより、一度リセットしてから向き合う方が、自分には合っていると思ったからです。

演技は気持ちの余裕も大切な材料なのだと感じます。

『千と千尋の神隠し』に癒やされる

夜はハウスメイトとリビングでDVD鑑賞会。

作品は『千と千尋の神隠し』でした。

部屋を暗くし、ソファを並べ、小さな上映会のような雰囲気。

私はこの作品に少しだけ声で出演しています。アメリカの人たちに話すといつも驚かれます。

英語タイトルは『Spirited Away』。

アカデミー賞を受賞した作品だけあって、ニューヨークでも知名度は高く、多くの人が作品を知っていました。

改めて観ると、やはり素晴らしい映画です。

体調を崩し、少し疲れていた心まで静かに洗い流してくれるようでした。

我慢の一週間を終えて

今週は体調不良もあり、思うように動けない日が続きました。

だからこそ、「頑張る」だけではなく、「休む」ことも必要なのだと実感した一週間でもあります。

しっかり休んで、また来週から一歩ずつ積み重ねていこうと思います。

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