NY通信Vol.175:カルボナーラと手打ちうどん!

ニューヨークのアパートで手打ちうどんを作る演劇留学生。

朝8時起床。

少し喉が痛い。

無理をせず、できるだけ長く寝て体を休めることにした。

今日のアクティビティの準備は、音楽の休講時間にやることにする。

1コマ目はアクティング。

講師はジミー。

まずはハロルド(急)とキンバリー(喜)。

スコットランドの正装に着替えるハロルド。

そこへ上機嫌で帰ってきたキンバリーを、彼は二度も部屋の外へ追い返す。

二人とも反応が素直で、とても気持ちがいい。

続いてマット(悲)とレビー(悲)。

マットは少しずつ自意識がほどけ始める。

ラストは二人とも涙を流しながら抱き合って終わった。

ジミーはレビーを「Marvelous!」と何度も褒める。

休憩時間。

そのパフォーマンスを見たマックスが、少し落ち込んでいる様子だった。

仲間の成功を悔しがる気持ちは分かる。

でも、それを一緒に喜べるようになったら、役者としても人としても、もう一段成長できるのではないか。

そんなことを、勝手に考えていた。

キャシー(悲)とジェイド(悲)。

ジェイドのアクティビティは実に大胆だった。

赤ちゃんの格好をして、おむつをつけ、頬を赤く塗る。

精神的に弱っている姉へ、子どもの頃の記憶を呼び起こそうという設定だ。

発想も実行力も面白い。

その後、ジミーがマイズナーの言葉を引用した。

「役者の感情は、視覚ではなく匂うものだ。」

印象に残る一言だった。

2コマ目はバレエ。

3コマ目のミュージックは休講。

その時間を使って、翌日のアクティビティの準備を進める。

4コマ目はアクティング。

週に一度のクイントンのクラスだ。

カミル(悲)とジョン(悲)。

カミルは相変わらず自意識に縛られて苦しんでいる。

途中、赤い下着姿のまま神経質に笑い、大泣きする場面もあった。

見かねたクイントンはキンバリーまでシーンへ投入したが、大きな変化は生まれなかった。

続いてクリスとブリアナ。

昨日、髪を切るアクティビティを途中で止められたクリス。

今日は何とバリカン持参だった。

「本気だ。」

そう思った瞬間、こちらまでワクワクしてくる。

あと1センチで髪に当たるというところで、

「ストップ。」

とクイントン。

「感情はとてもいい。でも、それは芝居ではない。」

確かにその通りだ。

しかし、その覚悟と気迫は十分伝わってきた。

さらに次のアクティビティ。

今度は40枚近いレコードを片っ端から割り始めた。

勢い余って破片が客席まで飛ぶ。

再び、

「ストップ。」

「感情は素晴らしい。でも客席へ破片を飛ばしてはいけない。」

これもまた、その通りだった。

クリスは190センチを超える長身の好青年。

普段は物静かで、とても真面目だ。

だからこそ、この全力の挑戦には心を動かされた。

放課後はダンと一緒に帰る。

いよいよ明日は僕たちの番。

「思い切って “F*** you!” の応酬でもするか。」

そんな冗談を言いながら歩いた。

帰宅後は日課を済ませ、アクティビティ用の買い物へ。

2号室のYさんから生クリームをいただいたので、カルボナーラを作ることにした。

ブルーチーズも入れてみる。

卵は黄身だけではなく全卵。

さらに、

「ごま油を少し入れたら香りが良くなるかも。」

……と思った瞬間だった。

ソースが一気に分離。

しかもブルーチーズが思い切り主張し、味も大失敗。

久しぶりに、これは食べきれないというレベルの失敗作になってしまった。

気を取り直して、翌日のアクティビティのために手打ちうどんを仕込む。

ひたすら、生地をこねる。

こねる。

こねる。

その途中で、ふと思った。

「演技の稽古をするためにニューヨークへ来たはずなのに、なんでこんなに必死でうどんをこねているんだろう。」

そんな自分がおかしくて笑ってしまった。

準備は万端。

明日のレッスンがどうなるか、自分でも楽しみだ。

今日も全力。

明日は、さらにその上を目指そう。

それでは、おやすみなさい。

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