朝8時起床。
少し喉が痛い。
無理をせず、できるだけ長く寝て体を休めることにした。
今日のアクティビティの準備は、音楽の休講時間にやることにする。
1コマ目はアクティング。
講師はジミー。
まずはハロルド(急)とキンバリー(喜)。
スコットランドの正装に着替えるハロルド。
そこへ上機嫌で帰ってきたキンバリーを、彼は二度も部屋の外へ追い返す。
二人とも反応が素直で、とても気持ちがいい。
続いてマット(悲)とレビー(悲)。
マットは少しずつ自意識がほどけ始める。
ラストは二人とも涙を流しながら抱き合って終わった。
ジミーはレビーを「Marvelous!」と何度も褒める。
休憩時間。
そのパフォーマンスを見たマックスが、少し落ち込んでいる様子だった。
仲間の成功を悔しがる気持ちは分かる。
でも、それを一緒に喜べるようになったら、役者としても人としても、もう一段成長できるのではないか。
そんなことを、勝手に考えていた。
キャシー(悲)とジェイド(悲)。
ジェイドのアクティビティは実に大胆だった。
赤ちゃんの格好をして、おむつをつけ、頬を赤く塗る。
精神的に弱っている姉へ、子どもの頃の記憶を呼び起こそうという設定だ。
発想も実行力も面白い。
その後、ジミーがマイズナーの言葉を引用した。
「役者の感情は、視覚ではなく匂うものだ。」
印象に残る一言だった。
2コマ目はバレエ。
3コマ目のミュージックは休講。
その時間を使って、翌日のアクティビティの準備を進める。
4コマ目はアクティング。
週に一度のクイントンのクラスだ。
カミル(悲)とジョン(悲)。
カミルは相変わらず自意識に縛られて苦しんでいる。
途中、赤い下着姿のまま神経質に笑い、大泣きする場面もあった。
見かねたクイントンはキンバリーまでシーンへ投入したが、大きな変化は生まれなかった。
続いてクリスとブリアナ。
昨日、髪を切るアクティビティを途中で止められたクリス。
今日は何とバリカン持参だった。
「本気だ。」
そう思った瞬間、こちらまでワクワクしてくる。
あと1センチで髪に当たるというところで、
「ストップ。」
とクイントン。
「感情はとてもいい。でも、それは芝居ではない。」
確かにその通りだ。
しかし、その覚悟と気迫は十分伝わってきた。
さらに次のアクティビティ。
今度は40枚近いレコードを片っ端から割り始めた。
勢い余って破片が客席まで飛ぶ。
再び、
「ストップ。」
「感情は素晴らしい。でも客席へ破片を飛ばしてはいけない。」
これもまた、その通りだった。
クリスは190センチを超える長身の好青年。
普段は物静かで、とても真面目だ。
だからこそ、この全力の挑戦には心を動かされた。
放課後はダンと一緒に帰る。
いよいよ明日は僕たちの番。
「思い切って “F*** you!” の応酬でもするか。」
そんな冗談を言いながら歩いた。
帰宅後は日課を済ませ、アクティビティ用の買い物へ。
2号室のYさんから生クリームをいただいたので、カルボナーラを作ることにした。
ブルーチーズも入れてみる。
卵は黄身だけではなく全卵。
さらに、
「ごま油を少し入れたら香りが良くなるかも。」
……と思った瞬間だった。
ソースが一気に分離。
しかもブルーチーズが思い切り主張し、味も大失敗。
久しぶりに、これは食べきれないというレベルの失敗作になってしまった。
気を取り直して、翌日のアクティビティのために手打ちうどんを仕込む。
ひたすら、生地をこねる。
こねる。
こねる。
その途中で、ふと思った。
「演技の稽古をするためにニューヨークへ来たはずなのに、なんでこんなに必死でうどんをこねているんだろう。」
そんな自分がおかしくて笑ってしまった。
準備は万端。
明日のレッスンがどうなるか、自分でも楽しみだ。
今日も全力。
明日は、さらにその上を目指そう。
それでは、おやすみなさい。


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