NY通信 Vol.195|芝居は一人じゃできない――仲間に支えられた一日

演劇学校の休憩室に積み上げられた大量のベーグル。仲間たちと分け合う温かな日常をイメージした写真。

朝7時に起床。

早朝自主練習へ向かう準備を終えたその瞬間、パートナーのカミルから電話が入りました。

「体調が悪くて今起きた……。」

「OK、ゆっくり休みな。」

そう返事して、思いがけず平日の二度寝を満喫することになりました。

アクティングの授業では、ジョンとダンのシーンが印象的でした。

大きな仕事が決まりそうで上機嫌のジョンと、オーディションで厳しい評価を受けて落ち込むダン。

最初は少し硬かったダンも、少しずつ自然になっていきます。

その様子を見ながら改めて感じたのは、

「この人たちが、このあと何をやってくれるんだろう。」

舞台には、生身の人間だからこそのワクワク感があります。

それこそが演劇の醍醐味なのだと思います。

一方で、ジェイドとアリスのシーンでは、感じたことが行動になるまで少し時間がかかっていました。

ジミーがそこを指摘すると、アリスは反論します。

その気持ちはよく分かります。

役者なら誰でも最初は「そんなつもりじゃない」と思うものです。

でも、信頼できる第三者が「そう見える」と言うなら、意見として受け止めなければなりません。

昼休みのロッカールーム。誰かのバイト先から不定期に差し入れられる大量のベーグルを食べながら、

落ち込んだジェイドがぽつりと言いました。

「最近、芝居が難しくて仕方ないんだ。最初は楽しかったのに。」

その言葉に、

「本当に分かるよ。」

と答えると、周りのみんなも自然と集まってきました。

ジョン、マット、マックス、ダン。

誰も茶化さず、みんなでジェイドを励ましていました。

その光景を見て、

「ああ、いい仲間たちだな。」

と、素直に思いました。

放課後はカミルが体調不良で早退したため自主練習は中止。

帰宅後は歌の練習に没頭し、歌詞もほぼ暗記。

さらにシーンで使う小道具も買い揃え、準備は着々と進んでいきます。

その途中、管理人のザヒが手作りの靴箱を持ってきました。

女性たちのブーツが収まりきらないことを気にして、自分で作ってきたそうです。

さらに、住人みんなの写真を飾るスペースまで用意して、

「最初の一枚はカツが貼りな。」

そう笑って言ってくれました。

こういう何気ない優しさに、何度も救われます。

夜、カミルから再び電話。

シーンのことを気にしていましたが、

「今は稽古より体を治すこと。元気になったらまた毎日やろう。」

そう伝えて電話を切りました。

焦るより、まず健康。

それも演技を続けるためには大切なことなのだと思います。

一日が終わるのは本当にあっという間。

明日は今日より少しでも面白い一日になりますように。

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