NY演劇留学記103|「殻を破れ」――その一言が胸に刺さった日

6時40分起床。

朝早く学校へ行き、レビーと自主練。

1コマ目はアクティング。

まずはジョンとジャック。

相変わらずジャックは、自意識との格闘が続いている。

いかにも西洋的な大きな身振り。

喉から絞り出すような声。

ジミーから、

Too much!

と指摘され、ジャックは大きく落ち込んだ。

でも、そのあとジミーはこう続けた。

「君のことをいろいろ言う人はいるかもしれない。でも私は、君が自意識と戦っていることを知っている。そして必ず乗り越えられると信じている。」

なんていい先生なんだろう。

胸が熱くなった。

続いてキャシーとカミル。

キャシーも今、もがいている。

無意識に客席へ体を開いてしまう。

さらに、

「最初から怒ったり泣いたりする大きなシーンにはしたくなかった。」

と、自分で言い訳をしてしまう。

それに対してジミー。

「それは予期しているからだ。予期して大きくなるのと、予期せず自然にそうなるのは、まったく違う。」

まさに、その通りだと思った。

そして今日、一番印象に残った言葉。

「Take that off yourself!」

僕はこれを、

「殻を破れ。」

という意味で受け取った。

これまで何か月も続けてきたリピティションやシーン・スタディも、

結局は自分を守る殻を外すための訓練なのだと、改めて感じた。

次はブリアナとデイル。

デイルは、自意識のせいでシリアスになりきれない。

ジミーが言う。

「演技の途中で、自分や相手をチェックするな。それはセーフティーネットの中にいるようなものだ。君は怖がっている。」

これは苦しい。

自意識で固まっている人には、本当に痛い言葉だ。

デイルもかなり落ち込んでいた。

最後はダンとジェイド。

一度目は、正直よくなかった。

そこでジミーが二人にイマジナリー・サーカムスタンスについてアドバイスをする。

もう一度。

……まるで別人だった。

雇い主であるダンに、自分の苦しい状況を必死に訴えるジェイド。

僕は思わず泣いてしまった。

終わると教室中が拍手と歓声に包まれる。

19歳のジェイド。

涙の跡が残る顔で、満面の笑みを浮かべていた。

きっと今日、彼の中で何かが変わったのだと思う。

ちなみに僕はジェイドへ、よく日本語を教えている。

ハグをしながら、

「You did a very good job!」

と言うと、

彼は得意げに、

イツモオセワニナッテオリマス。

と返してきた。

最近のお気に入りらしい。

たぶん、日本の会社員より口にしている(笑)。

2コマ目はバレエ。

今日も最前列で汗を流す。

3コマ目はスピーチ。

放課後はすぐ帰宅。

歌の練習。

発音の練習。

スピーチの暗記。

そしてシーンについて考える。

イマジナリー・サーカムスタンスに、一つ新しいアイデアが浮かんだ。

明日、試してみよう。

楽しみだ。

明日は全ての授業で発表がある。

かなり盛りだくさんな一日になりそうだ。

Have fun!

さて、どうなることやら。

それでは、おやすみなさい。

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