NY演劇留学記92|「もう一回!」が俳優を育てる

7時30分起床。

1コマ目、アクティング。

今日は、しょっぱなから僕の番だった。

相手はレビー。

シーン・スタディ第三段階、「会話のようにセリフを言い合う」稽古だ。

前回はセリフを思い出すだけで精一杯。

会話どころではなかった。

でも今回は違った。

セリフは頭に入っている。

英語力はまだ幼稚園児レベル。

だからこそ、相手の一挙手一投足を見逃さないよう必死になる。

そのことが、逆によかったのかもしれない。

終わるとジミーが一言。

「Very good. Keep working!」

うれしかった。

ただ、ダメ出しがほとんどなかったことや、発音について何も言われなかったことを考えると、少し気を遣われているのかな、とも感じた。

まあ、焦る必要はない。

引き続き励むだけだ。

ほかの組も何組か見た。

特に印象に残ったのは、ジャックとジョン。

相変わらず自意識が邪魔をして、相手と本当にコミュニケーションが取れないジャック。

ジミーは何度もやり直しをさせる。

7回、8回……。

そして最後に言った。

「最後にもう一回だけチャンスをあげる。」

その言葉を聞いて、研修所時代を思い出した。

研修科へ上がったばかりの頃、初めて主役を任された。

冒頭に長いセリフがある。

何度やってもOKが出ない。

何度もやり直した。

そして演出家が言った。

「君が、なぜ研修科に上がれたのかわからない。」

「皆(研修生)が、いいと思ったら(僕を)呼んで。」

そう言い残して稽古場を出ていった。

気まずい空気の中、稽古を繰り返す・・当時頭の中が真っ白になった。

後日聞いた話によると、しばらくの稽古後、同期が演出家を呼びに行った際、

彼はいたずらっ子のような顔で「みんなまだやってる?」と言ったそう。

彼は演出家がそういう行動をとることで、僕らの危機感や覚悟を求めたんだ。

同じような経験はその後も何度もあった。僕がへたくそというのもあるんだけど、

絶対に意地悪ではない・・と思う笑。

当時そういう機会をもらったことに、本当に感謝している。

大切な経験だった。

来週からはいよいよ次の段階へ進む。

どんなレッスンになるのか楽しみだ。

昼休みはジムで筋トレ。

少しずつ体も戻ってきた。

午後はスピーチ。

暗記の発表があった。

つかえながらも、なんとか最後までできた。

続いてダンス。

今日もひたすら励む。

帰宅後は食事をして仮眠。

夜は行きつけのバーへ行った。

でも今日は、まったく楽しめなかった。

食事をして仮眠を取ったことで、体が完全にお休みモード。

英語を聞くのも話すのも、おっくうで仕方がない。

聞き取りも全然できない。

会話も楽しめない。

「今日は違うな。」

そう思って、早めに帰ることにした。

こんな日もある。

というわけで、やっと週末。

ゆっくり休もう。

それでは、おやすみなさい。

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