俳優で食べていく
僕は俳優です。芸能の世界はご想像通り厳しいです。
どの世界でもそうですが、みんな成功目指して日々努力と精進を重ねます。
ぶっちゃけ僕はまだ売れていません。
売れていない俳優がどうやって食べていくか、これまたご想像通りです。
アルバイトしたり、俳優関連のお仕事をしたりして、食べていくことになります。
僕もこれまでいろんなアルバイトや派遣でのお仕事をしました。よろしければしばしお付き合いください。読み飛ばしてもらっても構いません笑。
コールセンター、一般事務、交通量調査、家庭教師、塾講師、瀬戸物売り、馬小屋掃除、地下鉄の光ケーブル敷設なんてのもありました。
地下鉄最終便の後、線路に降ります。「よーいしょ、よーいしょ」10人程で掛け声をかけながら一巻き2m程あるぶっとい光ケーブルを敷設します・・夜通し・・。
地下鉄で携帯が使えるのは僕のおかげですから笑。
そしてこれは真面目な俳優アルバイトあるあるです。
一所懸命頑張っちゃいます。アルバイトなんですけど笑。その結果正社員になることを強くすすめられます。
以前、数百人規模のコールセンターでスーパーバイザーとして働いていました。派遣社員としてです。
営業の方とお話し、トークスクリプト(台本)を書き、オペレーター教育、シフト管理、大クレームのお客様とお話しして収めたり、まぁ1年程頑張りました。
最終的にセンター長をやらないかと言われました。もちろん丁重にお断りしました。
俳優関連のお仕事だと、学校で演劇を教えたり、全国各地で演劇を使ったワークショップを開催したりします。
僕も高校で専任講師として、週一回演劇クラスを持っています。主催したワークショップも参加者2000人を超えました。
ただ演劇関連のお仕事をしてちょっとうまくいっていたりすると、純粋にがんばっているなと言ってくれる仲間も沢山いる一方で、
「演劇に対して純粋じゃない」的な扱いをしてくる同業者の方も時々いらっしゃいます。
俳優一本で食べていけてない人に多いです。そんな時僕は控えめにこう反論します。
アルバイトで生計をたてている方にはこう言います。
→では今すぐあなたはアルバイトをやめてください。それはあなた自身に対して純粋じゃないからです。好きな事や興味あることに時間を使う方が、少なくとも自分に対して純粋です。
アルバイトする必要のない、お金持ちや扶養の方に言われたらこう言います。
→まずは自分の力だけで稼いで生活してみてからおっしゃってください。
あくまで攻撃された時だけ、攻撃に対する防御です。強くお伝えしておきますが、僕はとてもとても温厚ですから笑。
失礼しました。話がそれました。とにかくなんとか食い扶持を得て生活していく。
そしていよいよ行き詰まると、俳優をあきらめ別の道を歩き始めます。俳優あるあるです。
ただ脱サラし、腹を括って俳優の道に飛び込んだ僕としては、そのあるあるがなんとも納得できませんでした。
「求められなくなった時が辞め時」この考えにも僕は一言ありますが、それはまた今度。
とにかくもともと独立志向というのもあり、やりたいことはなんとかしてやれたらいいなと思っています。もちろん大変です。でも全部やったっていいじゃない!
「興味ないアルバイトをするなら、その時間自分がやりたいことに使って稼いだ方がいい」
この考え方がベースで、大好きなスパイスカレーのお店をやろうと思ったんです。
失敗しても経験は宝物になる、成功すればラッキー。これが起業の理由です。
将来の夢はコックさん
ホットケーキが大好きで、ボウルに小麦粉、卵、牛乳、砂糖、ベーキングパウダーを入れ泡だて器で混ぜる
♪コッコッコッ・・というくぐもった音がなんとも耳に心地よく好きでした。
台所で母の脇に立ち、よく混ぜさせてもらっていました。
ダマができないようよく混ぜて、熱したフライパンにマーガリン(当時はバターじゃなくてマーガリンでした)、ほどよく溶けたところでタネを流し込みます。
中火でしばらく焼くと、表面に泡ができ、おさまったところをフライ返しでひっくり返す。
この作業も好きでよくやらせてもらいました。
マーガリンと小麦粉が焼けた芳ばしいいい香りが部屋中に漂います。
焼きあがったホットケーキに再度マーガリンを塗り、ハチミツをたっぷりかけて、牛乳と一緒に食べる。至福の時間だったなぁ・・。
とにかく、当時の夢はコックさんでした。その時からずっと料理好きです。
その後大学で一人暮らしを始めこれまで、炒め物から煮物、おせち料理だって作ったことがあります。
カレーなんて目をつむってたって作れます笑。
ある時ずっとやりたかったスパイスからカレーを作るを実現させました。
レシピを調べ、クミン、ターメリック、コリアンダー、カルダモン、クローブ、フェンネル、チリパウダーなど入れて完成です。
初回スパイスカレーの出来は
・・・微妙でした。
なにか物足りない。コクも足りない。ブイヨン、いわゆるダシが足りていませんでした。
何度も改良を重ね、最後には美味しくできるようになりました。そして思ったんです。
「僕みたいにスパイスからカレー作りたいけど、踏み出せていない料理好き男子が沢山いるに違いない。」
「アルバイトで他人のために時間を使うより、自分のために仕事をして稼いだ方がいい。
それで誰かの役に立てるんだったら最高だし、失敗しても経験になる。おもしろそう!」
もともと独立志向があった僕が、こう思ったらもう止められません。よしやろう!ゼロからお店作りが始まりました。
俳優がカレーのお店出しました(2)に続きます。
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