【NY演劇留学:33/263】講師ジムが大激怒!

7時30分起床。12日目。

前日の寒さは錯覚だったようだ。今日は全然寒くない。でもブランケットは買いに行く。

ジム激怒のリピーティング

1コマ目、アクティング。今日もリピーティング。

まずジェイド(19歳の生意気盛りな彼)とブリアナ

前回のリピーティングで、その場で起こる衝動に対して素直になれたと思ったが、またもジェイドは斜に構える。

二人のリピーティングも退屈で、同じところをぐるぐる回り、一向に展開しない。

車のメンテナンスと同じで、人間の身体も心も常にチェック、メンテナンスが必要なんだ。

フィギアスケーターやピアニストが

「1日練習休むと取り戻すのに1週間かかる」

と言うけど、あの感覚。昨日できたと思ったことが、今日はできない・・。

あらためて気をつけようと思った。

ジェイドの斜に構えた態度をみかねたジムが

「私と(リピーティングを)やろう」

と言い、ジェイドを誘う。

何度も言うがリピーティングは、その最中その瞬間に感じた衝動を、そのまま相手にぶつける。

相手が先生だろうが生徒だろうが、立場や肩書は一切関係ない。

素の自分と目の前の相手のみ。

しばらくリピーティングする(繰り返す)うち、

ジェイドがいつまでたっても100%で自分と向かい合ってくれない、

何か隠しているような、斜に構えたような言動をとり続ける彼に、

いつも温和なジムが、遂に怒った。

ものすごい大声で彼をどなりつけた。

「ユー、〇〇〇〇、メイクミー マッド!!(お前マジむかつくんじゃあ!!)」

ジェイド声を失くし固まる。クラスにも緊張が走る。そして、

「ほらみてごらん。これでちょっといい感じになったよ。」

けろっと元に戻るジム。クラス中の緊張が解け、ため息とも笑いともとれない声が漏れる。

ジェイドも憑き物が落ちたようにいい顔になる。クラスもいい雰囲気になる。お見事。

いいリピーティングはまるで映画のよう

次はアリスとマット。

お互い(自分を)開いていて、最初気持ちよく受け入れあい、

途中ちょっとした誤解から言い争いになり、最後はお互いを理解した。

ただリピーティング(繰り返し)しているだけなのに、瑞々しいコミュニケーションがはっきりと見えた。

いいリピーティングは一本の映画を観たような気持になる。

筋書きのない本物のドラマだ。そこには喜怒哀楽はもとより、人間の感情が豊かに表れる。

ちょっとここで一言。

リピーティングは、教室中央で二人でやる。

観ている生徒達は、教室内につくられた客席にイスを並べ座っている。

客席上から見下ろす感じ。

そしてリピーティングは、やっている生徒も、観ている生徒も感情を激しく揺さぶられる。

なのでいいリピーティングがされた時は、客席から全員降りてきて、

感動の涙を流し「Good job!」と言い、パフォーマンスの二人とハグをする。

とても素敵な時間だ。

そのため学校での1年間、二日に一度は感動の涙を流さずにはいられなかった。

アリスとマットは、クラス開始12日間で一番いい感じになった二人組だと思う。

ジムもとても褒めていた。

ジムから「今日の放課後から、繰り返しの自習練習をやるように」と言われる。

2コマ目、バレエ。バレエとダンスは週4回ある。火曜日から金曜日は毎日だ。

これ踊れるようになっちゃうなぁ(笑)。今日は手の動きが早いと褒められいい気持ちになる。

準備運動中の手の動きを褒められただけだけどね・・僕はシンプルなんだ。

3コマ目、スピーチ。今日も励む。巷で言われるように、日本人が苦手なのは(R)(L)(TH)だけと思ったら大間違いである。

例えば「I wouldn’t」の発音。「アイ ウドゥントゥ」ではない、断じてない!

「アイ ウゥントゥッ」だ。「ドゥ」ではない!難しい!!

いちいちこんな感じ。今日もひたすら励む。

放課後、メリルとリピーティング(繰り返し)の自主練をする。

実は彼女も今日1コマ目リピーティングをやっていた。

その時「も~全然わかんない~!!」と、リピーティングがうまくいかないもどかしさに号泣していた。

はじめ僕と二人だけなのに緊張していた。僕はフレンドリーオーラの目盛りを強にして、誠実に繰り返しを行った。

学校隣りの外、公園でやったので、時々「ほら空見上げてみ」とか「フォー!!」とか雄叫びあげたりしながら繰り返しを行った。

断っておくけど、意図してやったわけじゃない。その瞬間本当にそうしたかったからやっただけだ。

すると彼女の緊張が完璧に解けた。最後は「I love you make me relax!」といい笑顔を見せてくれた。

自主練後、メリルに

「このクラスで、カツ(僕)とダンが一番おもしろい。カツはクレバーでおもしろい。ダンは天然でおもしろい」

最大級の褒め言葉をもらう。嬉しいなぁ、嬉しい嬉しい誉め言葉だよ。

帰宅後、ついにブランケットを買いに行った。20ドル、安い。

僕はアメリカで感心していることが現時点で何個かある。今日は長くなりそうなのでまたの機会に書きます。

というわけで今日も最高だった。明日がもっともっといい日でありますように。おやすみなさい。

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