俳優がカレーのお店出しました(2)計画そして開店

スパイスカレー屋さんで行く

前回、スパイスカレー屋さんをやる理由を書きました。いよいよ実行開始です。

本屋さんで起業やカレーに関する本を10冊以上買い、読み込みました。

【2月】計画を練る

どういうお店にするか、どんな商品がいいか、パッケージは、売上予測や仕入れ先は?

もやもやの頭の中をスケッチブックに書き出します。何か始める時はまずこれです。

何の制限もなく思いつくままに、子供の落書きのように書きなぐります。

この時間はただただ楽しいです。ざっくり以下のように方針を決めました。

  • 資金も人手もノウハウも自分にはないので小さく始める。
  • 時間の融通がきいて、自分の生活の助けになるようなお店にする。
  • お店が大きくなったら人に任せられる形にする。

【3月】ネットショップでいく

2月の方針から、楽天市場でカレースパイスのお店を開くことにしました。

ネットショップなら小さく始められるし、既に仕組みがあるので効率がいい。

人にも任せやすい。カレースパイスは保存がきき、時間の融通もききます。

今度はどっさり買い込んだカレースパイスに関する本を手に、

ミックススパイス研究です。30種類近くのスパイスを様々な調合で試します。


『カレーの起源』について触れておきます。

インドにはカレーという料理はありません。スパイスをたくさん使った料理はありました。

紀元前2300年インダス文明の頃のことです。

しかしそれを「カレー」と名付けて、世界に紹介したのはイギリスでした。

イギリスは1500~1700年頃の大航海時代インドを支配していました。

イギリスに向かう貿易船でインド人乗組員が作るスパイスたっぷりの料理に

「それは何だ?」

イギリス船員が尋ねます。

「カリだ。」

インド人乗組員が答えます。カリはヒンディー語で、肉、おかずの意味です。

日本で初めてカレーを紹介したのは福沢諭吉。カタカナで「コルリ」と読ませました。

それより前、江戸幕府の使節団、三宅秀はカレーを船中日記にこう書いています。

「ご飯に唐辛子の細切り、芋のドロドロのような物をかけ、手で掻き回し手づかみで食べる。ものすごく汚らしい物だ」

「ものすごく汚らしい」って・・笑。


スパイス調合の話に戻ります。

基本となるクミン、コリアンダー、ターメリックをベースに、

スパイスの基本作用、香りづけ、臭いけし、辛み、着色の4要素を考えながら、味見しながら、調合をすすめていきます。

以下、基本4要素を代表するスパイス達です。

  • 香りづけ:シナモン、ナツメグ、フェンネル、クミン、カルダモン、フェヌグリーク、カレーリーフ、ローリエ
  • 臭いけし:クローブ、タイム、コリアンダー、キャラウェイ、オレガノ
  • 辛み  :ブラックペッパー、ブラウンマスタード、チリパウダー、カイエンヌペッパー
  • 着色  :ターメリック、パプリカ

調合途中気づきました。私はカルダモンやナツメグなど、香りのよいスパイスが好きです。

最終的に14種のミックススパイスに落ち着きました。辛み抑え目で、香りがよく美味しいミックススパイスができました。

スパイスの調合は終わりがありません。突き詰めればどこまでも研究できます。

スパイス道と言ってもいいかもしれません笑。そういうところも僕好みです。

インドでは、スパイス調合は各家庭で違い、それぞれの味があります。

日本でいう味噌汁のような、各家庭の味があります。おもしろいですよね?

【4月】ホームページ作り

商品のミックススパイス14種も決まりました。

あわせてスパイスの単品セットも、すり鉢付きで売ることにしました。

料理好き男子ならわかってくれると思う、二点を満たしているからです。

  • ずらりと並ぶスパイスは、料理男子心をくすぐる
  • スパイス調合を楽しむ、イコール、すり鉢でゴリゴリする

そしてお店の顔、ホームページ作りがまた大変でした。一から手作りです。

HP作成ソフトを月契約し、知識ゼロから一か月かけて完成させました。

突っ込みどころ満載だけど、愛すべき手作りサイトです。

自分で一からHP作成をやってみて思ったことがあります。

写真を用意する大変さと重要さです。

お客さんは写真を見て購入を決めます。文章もですが見た目がより重要なんです。

文章は紡ぎ出すことができますが、写真は紡ぎだせません。

カメラマンに頼む、画像を買うという手もありますが、資金も人脈も知識もありません。

「最初は自分で撮った写真を使いたい」という青臭い気持ちもありました。

HPに掲載する写真を撮るために、友人が住む高級マンション共有スペースのおしゃれキッチンを丸ごと一日借りました。

食材、鍋、フライパン等調理器具から、食器、スプーン等のカトラリーまで

全て持ち込みで撮影に臨みました。これが大変でした。

食材写真、できあがるまでの料理過程、手元、完成品、食べている所等々。

写真の出来は素人レベルです笑。それでもなんとか1日で撮り終えました。

後日商品パッケージの写真も撮りました。

パウチに入ったミックススパイスから、ケースに入ったスパイスセットなど、

全部で50種類ほどある商品を全て写真に収めました。

黒いソファーの上が一番しっくりきたので背景はそれにしました。(現在は違います)

各種写真を掲載し、HP作成ソフトで編集もした手作りHPがようやく完成しました。

同封するレシピ、スパイスを入れるパウチ、パウチに貼るラベルシールも準備しました。

全て自分でデザインして、当面は自宅のプリンターで印刷して使うことにしました。

配送業者もクロネコヤマトと郵便局に行き、見積りをもらい安い特約契約をしました。

必要書類を持って何度もそれぞれの事務所を行ったり来たりしました。

一連の作業は素人には本当に大変でした。でも100%自分の未来のために仕事をしているやりがいがあり、楽しい時間でした。

販売開始までの総予算は約60万円。全て自分でやったので相当抑えられたと思います。

ゼロから起業する人は本当にすごいです。それでうまくいっている人は本当に尊敬します。

例え今うまくいっていなくても、何とかしようと戦っている人も同じく心から尊敬します。

とにかく起業はやった人しかわからない大変さと充実感があります。私も実感しています。

それと起業した側から言わせると、給料出せるってすごいことです。

もちろん労働に見合った対価を払うのはあたりまえです。

それでも昔サラリーマンの私は思います。毎月給料が貰えるのはすごくありがたい事です。

【5月】販売開始

2013年5月販売開始。一件目売れた時は本当に嬉しかったです。小躍りしました笑。

その後順調にいったのかって?いえいえ、次から次へといろんなことが起こります。

カレーが好きすぎてお店作りました(3)に続く

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