【NY演劇留学:00/263】ニューヨーク名門演劇学校での1年間

演劇学校
ネイバーフッドプレイハウス

演劇留学に興味ある方へ

愛すべきクラスメイトたち。前列手を挙げているのが筆者

このブログは僕が文化庁在外研修生として、ニューヨークの演劇学校に1年間留学した記録です。

ネイバーフッドプレイハウスとは?

1928年設立のネイバーフッド・プレイハウスという演劇学校での日々を、1日も欠かさず書いています。

全263記事、授業内容はもちろん、その時感じたことなども赤裸々に綴っています。

留学生としての葛藤や、ニューヨークでの生活が感じられると思います。

ネイバーフッド・プレイハウスは、サンフォード・マイズナー(*1)が50年以上指導し、錚々たる俳優たちを輩出した名門演劇学校です。

(*1)サンフォード・マイズナー:1920年代、リー・ストラスバーグらによって結成されたアメリカの伝説的演劇集団グループシアターのメンバー。

ロシアのスタニスラフスキーの演劇理論をもとに確立したレピュティション(繰り返し)に代表される演技練習方法、マイズナーテクニックを確立しました


演劇学校は2年制、月~金フルタイム(am9~pm4)。芝居はもちろん、歌、ダンス、スピーチ等の授業があります。

1年生はA,B,C3つのグループにわかれ、各グループ20人程。僕はその学校の一年生として学びました。

1年後、70名→20名程度に選抜されます。二年生になるとレッスンに加えてショーケースと呼ばれる発表会があります。

そのショーケースにはNYの有力プロダクションが招待され、スカウトされてブロードウェイに出演なんていうアメリカンドリームもあったりします。

便宜上、ブログを5つのカテゴリーに分けています。

「NY演劇留学」Vol.0~17 : NY上陸と新生活

「NY演劇留学」Vol.18~104 :学校前期

「NY演劇留学」Vol.105~121:NYの冬休み

「NY演劇留学」Vol.122~250:学校後期

「NY演劇留学」Vol.251~263:映画撮影と帰国

文化庁在外研修とは?

僕は文化庁在外派遣制度という仕組みを使って留学しました。いわゆる国費留学です。

地域によって変わりますが、ニューヨークなどの都市部だと400万円以上は出してもらえるはずです。

以下ざっくり内容をご説明します。詳しくは文化庁のHPをご覧ください。

新進芸術家、海外研修制度といい、各分野の新進芸術家に、海外での研修を受ける機会を提供する制度です。

研修期間は,1か月~3年、派遣される人の条件によって変わります。

往復渡航費と研修費用も支給されます。研修費用は滞在期間と地域によって変わります。

研修目的や研修場所は自分で決めます。研修先との連絡、受入OKを貰うまで、全て自分でやる。その準備を全てした上で文化庁に申請し、合格したらお金を出してもらって留学という流れです。

研修場所は学校、個人法人、劇団等、そしてどこの国でも構わないのですが、文化庁に申請する前に、受入先から正式に「受入れOK」の返事をもらっておく必要があります。

文化庁申請、私の場合

ちなみに私の場合、まず「ネイバーフッドプレイハウス」を普通に検索して、公式HPの一般問合せページから資料請求をしました。

2週間後に必要書類が郵送されてきました。その後、何度もやり取りしながら、必要書類を準備し、少しずつ進めていきました。

(*研修先をネイバーフッドプレイハウスに選んだ理由は『NY上陸と研修目的』に書いています。)

英語でのやりとりですし、郵送時間もかかりますので、準備に最低2、3か月は見ておいた方がよいです。

現地でのオーディションは受けられなかったので、お芝居の一シーン、自己紹介と志望理由を英語と日本語両方で喋り、録画したものを送りました。

近くの公共施設の和室を借りて、ビデオカメラと三脚も友達に借りて、できるだけ印象に残るよう、ジャパニーズを演出するために、あえて障子の前で撮りました。微笑ましい頑張りです。

その後も、日本の学校の成績証明書、銀行の残高証明書、推薦状等々、全て英語のものが必要だったので、日本語で書いていただいた推薦状を自分で英訳したり結構大変でした。でもどうしても行きたかったので熱意を持ってやりました。

必要書類とオーディション資料を送り、一か月ほどたって、ネイバーフッドプレイハウスから正式に「受入れOK」の書類をもらい、それでもって今度は文化庁に申請しました。

文化庁への申請もまた必要書類が沢山あって、これまた大変です。詳しくは文化庁HPをご覧ください。

結果、文化庁申請1年目は1次の書類審査で落ちました。

ネイバーフッドプレイハウスに、文化庁申請に落ちたことを伝えるのは気まずかったのですが「来年また挑戦します」と正直に伝えました。

翌年再度、文化庁申請しました。

1年前と全く同じなのも癪なので、英語力をあげること、そして何より面接で言えるという理由で、TOEICを勉強して100点程あげておきました。

後日文化庁より「2次の面接に進みました」との連絡を頂きました。

面接当日、僕1人 対 10人以上の面接でした。

芸術各分野の面接官の方がいらしたので、大人数になるのは仕方ないのですが、正直、圧迫感はありました笑。

「研修の目的は?」、「なぜそこ(研修先)に行きたいか?」、「なぜ今なのか?」、「今後それをどう生かすのか?」、等々当然の質問が並びます。

それらの質問に真正面から答えていきました。

結果、申請して2年目で合格しました。

「俳優の勉強をしに海外に行きたい」と思って7年ですので、構想7年、申請2年でやっと実現できたというのが実感です。

演劇留学に限らず、海外で勉強や何かをしたいと考えている方へ

演劇留学にかぎらず、海外で勉強や体験をしたいと考えている方、どうか実現させて下さい。

経済的な問題があるのなら、助成金もあります。仮に助成金がなくても、いろいろ調べたり、誰かに相談したり、実現の可能性を探してほしいです。

経済的なことで自分のやりたいことをやめるのは本当にもったいないと思います。物理的に難しくても可能性はゼロではないと思います。時期をずらすとか、協力者の力を借りるとか。

「できない理由じゃなくて、どうしたらできるかを考える」「自分の人生は誰のものでもない自分のもの」「やらない後悔よりやった後悔」「今この瞬間が自分史上一番若い」「人生は一度しかない」まだまだあります笑。すみません、本題に戻ります。

このブログを書く理由

当初自分のための記録と、友人への報告のために書いていました。

その友人に「このブログは演劇留学をしたい人だけでなく、演劇を学びたい人の役にも立つ」とすすめられ書くことにしました。

読み返すと、当時の高揚感が恥ずかしかったり、微笑ましかったりします笑。

ただ演劇に重要なことはもちろん、人生に重要なこともたくさん学んだ濃い1年間でした。

語学力が足りず、時々誤解もあると思いますが、できるだけ当時の熱をそのままお伝えします。

そもそもなぜ留学しようと思ったのか?どうやって留学先を決めたのか?留学するためにまずしたことは何か?等々はまた書きます。

プライバシー保護のためブログに出てくる個人名は仮名の場合もございます。

演劇学校、NY、ブロードウェイ観劇、その他日々感じたあれこれもご紹介します。

読み物として楽しみながら、お役に立てるものにしたいと思っています。

Neighborhood Playhouse School of the Theatre - Wikipedia
1年間通った赤い扉の演劇学校、ネイバーフッドプレイハウス

TOEIC900点突破しました。勉強法やモチベーション管理なども書きました。

興味ある方は”TOEIC900点への道”をご覧ください。よろしくお願いいたします。

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