【NY演劇留学:28/263】教え方の違い

6時30分起床。9日目。

早起きして「セールスマンの死」を90ページまで読む。

1コマ目、アクティング。今日気づいたことがある。

同じマイズナーテクニックでも、指導者によって指導法が違う。

僕ら(クラスC)のアクティング指導者は3人。

担任ジム、一週間に一度のピンター、キングストン(クラスA担任)だ。

まずジム、彼は生徒にとりあえずやらせる。破綻してもそのまま続けさせる。その後、身振り手振りで熱くコメントする。

次にピンター、彼は陽気だけど丁寧で繊細。まだ授業2回目というのもあると思うが、繰り返しを割とすぐとめる。

そして「相手の表面的な行動だけを言うのではなく、その行動をとらせた原因を感じて」とファッキン連発しながら説明する。

最後にキングストン。彼も繰り返しを割とすぐ止める。ただ彼の指導スタンスは僕の目指すところ。自然体でおもしろそうな空気を漂わせながらもするどい指摘をする。

今日特筆すべきキングストンの指摘は、マット(2m6cmのビッグガイ)に対するものだ。

マットはとてもいいやつで争いが嫌い。常にユーモアを込めて、おもしろい感じに繰り返す。でも相手を感じていないわけじゃない。精神がクレバーなのだ。

その彼に「君は相手に対して、最初に感じたいい印象をひきずりながら、全体としてシーンスタディ(芝居稽古)のようにやっている。リピーティング(繰り返し)はシーンスタディではない。相手の発言一つ一つ、その一瞬にもっと反応しなさい」と指摘する。

なるほどな~と思った。途端に彼が変わった。とても興味深かった。

とにかく指導者三人三様やり方がある。

でも三人に共通する生徒に対するメッセージは「自分にうそをつくな」という強い信念。

そして授業中、生徒をめちゃめちゃ楽しませる、沸かせる。

「やっぱりこうでなくちゃ」強く思った。僕は演出や指導法も興味があるので今後も引き続き学ぶ。

2コマ目、バレー。今日は「アラベスク」を習った。バランスが難しい。

その後、二人一組で両手クロス繋ぎステップ。白鳥の湖でみかけるあれ。
僕のパートナーはハロルド(ガテン系いい男)。

僕は一生懸命やっているだけなのにステップ終了後、イスラエル系アメリカ人ダーニャ(美しい)が

「カツ(僕の事)、ソ~、ラブリー」と言ってハグをしてきた。

僕がとてもラブリーな34歳になった瞬間だった。

彼女は首の後ろに「女」と日本語でタトゥーをしているほど日本好き。

こちらでは日本語はクール(いけてる)らしい。多くの人が日本語タトゥーをしている。

ビッグガイ、マットも首の後ろに「火」といれている。

ダーニャは僕が書く日本語を「ソー、クール」と言って、レッスン中お返しにイスラエル語を教えてくれたり、何かと世話をやいてくれる。

ミッション2、恋のはじまりかもしれない・・キディング笑。

3コマ目、ミュージック。いよいよ声を出した。音にあわせて唇を合わせて「ブブブブブブ・・」。

正確にはまだ声じゃない音だった・・焦らされる。

5分後「ジ」とか「ナ」とか「ニャ」とかを鼻にかけながら言わせてもらえた。おもしろい。

後3回、ボーカルレッスンをやった後いよいよ一曲目の歌に入る。楽しみだ。

4コマ目、アクティング、キングストンのクラスだ。前述したので省略する。

放課後、ルーシー(受付の84歳のラブリーおばあちゃん)とお話しする。

2日程前に僕に新聞記事の切抜きをくれた。日本の政治についてだった。

僕はこれはいいきっかけだと思って「今日の放課後お話できるか」と彼女にアポをとってお話した。

英語のレッスンにもなる。彼女は僕のことをすごく気に入ってくれているし、なによりお話好きなおばあちゃんなのでお話しているとおもしろい。

結局記事についての話はほとんどしなかった。「来週も来るね」と約束をして帰った。

夜、卒業生が出演している芝居(21ドル)を観に行った。タイトルは「the treatment」。

精神に異常をきたした兵士(白人男性)と軍医(黒人女性)の二人芝居・・多分。

残念ながらまた2割くらいしか聞き取れなかった。ただ結構おもしろい芝居だというのと、役者がいいのはわかった。

特に黒人女性がよかった。男性はDylan McDermottという結構有名な役者らしい。知らなかったけど。

そしてまたへとへとになって帰ってきた。明日も最高の一日でありますように。おやすみなさい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました